2011年1月4日火曜日

キャッチボール屋 (2005/日)

監督:大崎章
出演:大森南朋 / キタキマユ / 水橋研二 / 松重豊 / 光石研 / 内田春菊 / 庵野秀明 / 三浦誠己 / 康すおん / 峰岸徹 / キム・ホジョン















かつての高校の野球部員仲間にそそのかされ、酔った勢いで東京にやってきた大山
公園のベンチで目覚めると、そこには十分百円というキャッチボール屋のおじさんがいて…

日々のつらい生活にしっくりこない大人たちが、あの頃の忘れていた青春を思い出してうんぬん系の社会人癒し(?)映画
全体的に飄々淡々した空気ととぼけた主人公の性格で、なんとなく現実社会における大人のファンタジーみたいな
そして、おもしろいかどうか聞かれるのが一番こまるジャンルの作品
個人的には悪くないと思うけど、それはそれ、人それぞれですよねー、としか言いようがない

キャッチボール屋に出会い、なんだかんだであとを任されて、そしてなんだかんだで言われた通りキャッチボール屋代理として続けることになる主人公
そうしているうちに出会った人々、知ったこと、見たこと、すべてがバラバラのパーツなんだけど、最後まで観てみたらそれがパズルのピースになっていて、収まるべきところに収まって一枚の絵が見えてくる…みたいな
しかし、きっちりくっきりした絵ではなく、なんとなくぼんやりとしたビジョンのような「なんとなく分かるね」みたいな絵が完成します
そんなぼやけたところがおもしろい点でもあるし、人によってはかなり微妙に感じる点かもしれません

個人的によかったなあ、と思ったのはキャッチボールを通じてお客さんと親交が深まるにつれて、そのキャッチボールの間隔が広くなって人と人との距離が物理的に離れるってところ
どんどん慣れてきてより早く、より強くボールが投げられるようになって、それにつれて距離が離れていくんだけど、実際の心の距離は縮んでいる
そして、みんなキャッチボールを通して相手ではなくて自分を思い出していくってのもよかった
さすがに終盤のバリバリコメディ調の対決シーンは「うーん?」って気はしましたが、基本的に日本人の察する美学というか、そういうのにうったえてくる作りは好きですね

個人的評価:75点
オススメ度:さあ、君も公園で僕とセックス




キャッチボール屋 予告



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