2010年1月13日水曜日

溺れる魚 (2001/日)

監督:堤幸彦
出演:椎名桔平 / 窪塚洋介 / 仲間由紀恵 / IZAM / 渡辺謙 / 勝部演之 / 河原さぶ / 伊武雅刀 / 保積ぺぺ / ミスターちん / 成宮寛貴 / 田口理恵 / 竹下玲奈 / 相沢真紀 / 前原一輝 / 佐藤二朗 / 白竜 / 野際陽子 / 宍戸錠


とある警察官について内部調査するために集められた二人の警察官
宍戸錠を愛する男と女装趣味のオカマ、二人の警官が動き出すのを待っていたように事件全体の歯車が回り出す

コメディ調の警察系サスペンスかと思って観たら、堤幸彦やりたい放題のサスペンス風コメディだった
ビックリするくらい寒いシーンとわりとおもしろいシーンの温度差が半端なく、しょうじき「悪ふざけしすぎ」なところもいっぱい
かなりヤング向け(公開当時)な作りで、おっさんにはじゃっかんキツイ内容でした

冒頭から説明なしで次々にキャラが個別の展開の中で話が進み、徐々に本筋が見えてくるタイプの作風
とはいえ、全体像が見えた時点で「おお、そうだったのか」という驚きや感心はなく、「ああ、そうなんだ」みたいな印象しかないですね
ごくごく普通の内容を意味ありげに切り貼りして演出してみました、としか思えない
観進めていくうちにどんどんコメディ要素が強くなってきて、最後の方は緊張感のかけらもないままクライマックスに突入しちゃってる気がしないでもない

良くも悪くも堤幸彦っぽい映画で、おもしろいかつまらないかと聞かれればおもしろいんだけど、手放しでおもしろいとは言い難い
ホントにすべってるシーンは痛々しいほど寒いし、過剰演出はもはや笑わせようとしてるようにしかみえません
それでもオープンカフェのシーンは個人的に好きでしたね
ここクライマックスだろ、って思うくらいにバカバカしくてカオスでいい感じでふざけてる
他の所ももっとやるなら徹底的にキャラ祭りな映画にして、良い意味でふざけてほしかった

最初は複雑で難解なストーリーかと思っていても、本当にどんどん単純で分かりやすすぎるくらい子供っぽい話だなってのが見えてくる
それでも時折「次はこういう展開かと思ったでしょ?でもそうはしないもんね」みたいな天の邪鬼な展開にもっていくのは飽きなくていいんですが、そんな作り手の意図が強くですぎててイマイチいかされてない感じ
ラスボスもバカカッコイイんだけど、見せ方が露骨でちょっと嫌気が…

なんて書いてくると、すごいネガティブなことばかりですが、基本はおもしろいんですよ。ホントに
だけど「おもしろいよね。ただ…」と語尾に「ただ…」とつけたくなるのは私だけでしょうか
そんな小骨がひっかかったような印象を受けるのは、単純明快に堤幸彦ってブラックコメディ向けじゃないよね、と
バカコメディとして作ってればそうとうおもしろかったような?そうでもないような?
断言できるのは、ブラックの部分が明らかにこの映画の邪魔をしてる…ということ

そんな感じで、いろんな意味でおっさん向けじゃない作品でした

個人的評価:60点

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