2010年1月8日金曜日

青い鳥 (2008/日)

監督:中西健二
出演:阿部寛 / 本郷奏多 / 伊藤歩 / 井上肇 / 重松収 / 岸博之 / 太賀 / 荒井萌 / 篠原愛美 / 高田里穂 / 山崎和也


東ヶ丘中学校に休職した先生の代わりに臨時赴任してきた村内先生
彼の受け持つ二年一組で、まず片づけられていたひとつの机を教室に戻すのだった

たまにはこういう賢い系(?)のを観て正月気分を吹き飛ばそう、と
なんてふざけた調子で書くと怒られそうなくらい真摯な作品
全体的に静かでセリフも少ないながら、かなり良い言葉が多いですね
ことなかれであたりさわりのない大人な生き方、それがずるいと分かっていて「仕方がない」と割り切ってはいても「ちょっともやもやするものがある」という人はぜひにでも観た方がいいかと
「がんばる」ことの意味を分かりやすく教えてくれるかもしれません

冒頭から冷めた空気感ではじまり、どんな教師ものが展開するのかと思っていた矢先にいきなり「ある事件」とかきな臭い単語が出てきて、観てる側にカウンターパンチをあたえます
そして村内先生の「どもり」という強烈なインパクトと、当然のような生徒たちの態度、そしてそれを受けての先生の言葉
もう、ね…冒頭からどっぷりと映画の世界観にハマってしまいました
全体的にみれば目新しいものはいっさいないものの、ホントにひとつひとつの言葉が胸に染みこんでいくようでおもしろい

村内先生のキャラはじゃっかん完璧すぎる印象はありますが、物静かで優しく厳しい芯のある「真摯に向き合って相手が自ら気づくのを手助けしてやる」系の先生
熱血ものや破天荒もののように、「事情も知らないクセに」と言われながらも、いつの間にか先生、生徒、父兄を巻き込んで熱くなる…そういう作品じゃないです
どっちかというとリアル系の教師もので、そこにちょっとファンタジー要素を足した感じ
冷めた空気感が最後にちょっと暖かくなる、そんな優しい温もりを感じる映画です

個人的には「レイチェルの結婚」での「弟を殺したからって、愛を求めちゃいけないの?」と同じような心にくる言葉のオンパレードにひじょうに気持ちよさをおぼえましたね
ホントに自分みたいな心がねじれて腐りきった人間にはきついながらも、いろいろと勉強になりましたよ
事実を受け止めたその先にあるもの、私もそれに近づけるように「がんばる」ことができそうな気分になりました

あと作中での村内先生の周りの人に対する態度なんですが、わけあり休職した先生の代理できたという点を考えれば納得ですね
ホントに村内先生大人だわ

個人的評価:100点
オススメ度:リセットのきくゲームじゃないんですよ




青い鳥 予告

※予告見ないで、本編を先に観た方が楽しめます

0 件のコメント: