2009年10月4日日曜日

ミーシャ ホロコーストと白い狼 (2007/仏・ベルギー・独)

監督:ヴェラ・ベルモン
出演:マチルド・ゴファール / ヤエル・アベカシス / ギイ・ブドス / ミシェル・ベルニエ / ベンノ・フュアマン


ナチス占領下のヨーロッパで両親と隠れて生きるユダヤ人の幼き少女、ミーシャ
学校の帰り道、両親たちと取り決めた合い言葉を知る人物が現れ、父母を残し郊外のとある家で暮らすことになるのだが


そんなわけで映画館で観れないならDVDを買えばいいじゃない、と視聴
映画館という環境は、巨大なスクリーンと迫力の音響が売りなんですが、反面で映写という状況ゆえにどうしても画質がぼんやりしてしまうし場内が暗いので映像的な暗部が見づらい、音響にしてもそれにこだわらない作品については利点にならないんですね
さらに現代では家のテレビもどんどん高画質になり、音響も個人で楽しむ分には十分な環境が整えられます
画質もクリアで、周りの目も気にせずに自分のペースでのんびり鑑賞できる
それでも私は最近、なるべく映画館に通うようにしています
それは個人的に極度の効率重視タイプの人間だからで、とくに近頃ではそんな自分の性分が嫌になってきてるんですね
なんで高い金払って、こっちから出向いて人混みに混ざってまでそんな映画を観にいくのか
それは究極の効率重視生活である、休みの日は家でごろごろ→お腹減らない→食事もなにもしなくていい、というループをしばらく続けていたからこそ、逆に効率重視って時間の無駄なんじゃないか、と思ったわけですね

まあ、そんなことはどうでもいいとして
まず、予告やらなんやら見て想像してたのと違う内容でしたね
副題にもなってるように白い狼と一緒に、薄情な人間界と決別して暖かい野生動物の世界で生きて旅をする、って話だけではないんですね
両親を探して旅をするんですが、その途中途中で細かいエピソードが展開します
狼のエピソードもその一つにすぎないんですね
他のエピソードよりは時間をさいてますが、それでもたっぷりと狼世界を堪能できるわけじゃありません

そんな細かいエピソードの集合でできてるんですが、一つ一つが本当に細かい上に深く描かずに淡々と流す感じで話が展開します
しょうじき駆け足すぎというか、もっとエピソードを減らしてメインの話を深く描いてもいい気がしないでもありませんでした
個人的には隠れる子供たち編→狼編→ソビエトの人たち編→ラストって風に簡潔にしてもいいんじゃないか、と
いくらでも感動できる方向に持って行けるのに、なんかあえてそうしてないというか、力不足なのかどうか

逆にエピソードがあっさりしてる分、ミーシャのたくましさと生々しさが浮き上がってきてるのは確か
土の中でうねってるアレとか、森の中でぴょんぴょん飛んでるアレなんかを生のままいく姿は強烈に印象に残りましたね
それでもちょっとどうかな、と思うところもいくつかあって、かなり長いあいだ旅を続けてるのに年月の経過をイマイチ感じられない
たくましい姿を描くのはいいけど、最初から盗みなんかの犯罪行為に罪悪感をもってない
追っ手の犬を動物心理の知識を利用して制するのは分かるけど、狼はなぜか飼い犬のように最初からなついてくる上に野生の厳しい目つきがない
個々のエピソードが短いくせに完結してるんで、この話を入れた意味があるのかと思うものも

ラストもぶっちゃけバッドエンドかと思うような展開になるんですが、いや、まあ、アレはアレでバッドエンド…なのかもしれません
結局、なんのために旅をしてたの?って根源の疑問を抱いたけど、気づかないふりをするのが大人ってもんでしょうか

個人的評価:60点
オススメ度:ホロコースト系の知識はあって当然って感じで話は進むので注意




ミーシャ ホロコーストと白い狼 予告

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