2009年10月6日火曜日

スラムドッグ$ミリオネア (2008/英)

監督:ダニー・ボイル
出演:デヴ・パテル / マドゥール・ミタル / フリーダ・ピント / アニル・カプール / イルファン・カーン / サウラーブ・シュクラ / ラージ・ズツィ / マネシュ・マンジレカル / ヒマンシュ・チャギ


スラムで育った教養のない少年、ジャマール
クイズに答え進めることで大金を手にできる番組に参加した彼は、順調に賞金を獲得していくもののその育ちからイカサマ嫌疑をかけられる

世間一般的に面白い、特にアカデミー賞関連の作品ってのはどうも個人的に合わないのが多いんですが、これは違いましたね
いやあ、マジで面白いッスわ
もうね、発売間近のBDも買わせていただきます
話のテンポ、音楽、映像演出、最高と言わざるえない
もっとしんみりでねっとりした話で、貧しい生まれの主人公をねちねちいたぶって、「ほら、かわいそうでしょ?ん?感動してもいいんだよ?」みたいな内容かと思ったけどちがいましたね

スラム育ちの隠れた天才少年が、逆境の日々を堪え忍びながらたくましく暮らし、ある日、ひょんなことから参加した番組であれよあれよと勝ち進む・・・そんな話だと思ってた時期が僕にもありました
実際の内容はかなり良い意味で裏切られた感じの展開でしたね
出題された問題に対し、それまでに経験した辛く楽しい思い出と経験の中から答えを出すんですね
大まかには出題→答えに対する過去のエピソード→回答みたいな流れですね

そのひとつひとつのエピソードが物足りないほど短くもなく、だれるほど長くもなく、それでいてそれぞれのエピソードに力がある
「ミーシャ」に期待してて、見たいと思っていたものがまんまこの映画の中にありました
かなり辛い思いをしながら、見てる方が暗澹たる気分にならないような軽すぎない軽さで、前向きに楽しめるようにエンタテイメント性が強くなってます

画的にもセンスがいい感じで撮ってるんですが、個人的にじゃっかん気取りすぎかなあと思うところもありましたね
お兄ちゃんのケリの付け方とか、もうちょっと泥臭く、そしてきちんときれいにかたをつけてほしかった気がしないでもない
あのお兄ちゃんのエピソードの終わり方だと、なんか結局は主人公の弟に後々に負の輪廻が襲ってくるんじゃないかと
あとは、もっとテレビ番組の暗部を扱ってもよかったような・・・いや、でも中途半端にやられるより、司会のおっちゃんが一人で憎まれ役をかった方がいいのか、な?

主人公と兄、少女ラティカの幼少時代から、現代までのお話としても十分通用するけど、そこに「クイズ$ミリオネア」をくっつけただけで、こうもおもしろさが増すとは思いませんでした
そんな感じで、この映画の主軸は「ミリオネア」ではない・・・というか、番組じたいが作品の中のひとつのエピソードって感じで、ようは主人公の生きざまを見る映画ですね
悪いことはするけど、最低限の人としての守るべきところは守る、まっすぐでしょうじきであきらめの悪い主人公、素敵です

ちなみに、私は映画冒頭のクイズは外しました
いや、だって、ほら、ほぼこの映画の前情報とか見てないんだもの
と、最後に汚い大人の意見をのたまわりましたが、ホントに一般的な評価そのままの良作でした

個人的評価:90点
おすすめ度:ちんちんヒリヒリ




スラムドッグ$ミリオネア 予告

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