2009年10月30日金曜日

マイケル・ジャクソン THIS IS IT (2009/米)

監督:ケニー・オルテガ
出演:マイケル・ジャクソン


2009年夏、行われる予定だったマイケル・ジャクソンのライブパフォーマンス「THIS IS IT」
その本番に向けてのリハーサル映像と舞台裏にあわせて、MJの歌声が響く

個人的にマイケルというと、アホな子のワイドショー脳的なイメージで色物、スキャンル、奇行、過去の人、マイケル・ジャクソン(笑)みたいなところがありました
出演作品にしても「ネバーランディングストーリー」のエージェントMJ役くらいしかしらないですし
はっきりいってマイケルの楽曲なんてほとんど知らずに観たんですが、なんか分からないけどすっごいおもしろかった
というか、今までそんな色眼鏡で見てた自分を殴りたくなった

アーティストとしてのマイケルが描かれてるわけですが、その発想、情熱、歌声、人柄、こんなにすごい人だったんだなあと分かりましたね
構成的には楽曲リハーサルと舞台裏でできてるんですが、この「THIS IS IT」に関係ない映像は極力排除してあります
過去をさかのぼって「こんな人なんです」とか、評論家なんかの文化人にインタビューするのもありませんし、その死に関してもいっさいふれません
あくまでもこの舞台に関することのみで作られてます

しかも長い舞台裏の描写と、くどい関係者の裏話の合間にちょこちょこ歌が入る・・・のではなく、マイケルの歌がメインの合間にちょこちょこと舞台裏のシーンが入る感じ
こういう作りにしてみても本当にこの映画をやろうと思った作り手のマイケル愛はすごいなあ、と
未完成ながらも「おお!」と思えるダンスと仕掛け、映像とともにじっくりと楽曲を楽しめばいいじゃない的な感じ

作りも本当に丁寧でただ曲を垂れ流すだけでもなく、長々と舞台裏を見せるでもなく、ひじょうにバランスよく飽きさせないような構成で作られてる印象がありましたね
ただひとつだけ、仕方ないかもしれないですが、終盤がじゃっかん曲の垂れ流しぎみな感じになってる気がしたのは残念
まあ、最初からこんな映画を撮ろうと思って記録してたんじゃなく、本番を後々にソフト化した時の映像特典ていどの舞台裏の風景を撮ってるだけだったろうから、おのずと使えるカットが限られるんでしょうね
そこら辺の事情だと思うんだけど、だんだんと作り手の苦労がわかるくらいに仕方なくじゃっかん間延びしてるシーンがちらほら

シンプルに映画としてまとめるには映像ソースの足らない曲を削るしかない
でも、この曲は削りたくない
そんなジレンマがありつつも映像的にちょっと間延びしても曲をとったって感じ
しかし、ここまで作り手の心情とかがフィルムにのっかってる映画も珍しい気がしますね

そんな感じで、ファンはもちろん、自分と同じように色眼鏡でマイケルを見てた人も楽しめる、単なるつぎはぎ集金映画じゃなかった一本でした
ちなみに、帰りに普通にサントラ買いました
個人的に初マイケルCD購入

個人的評価:90点
オススメ度:怒ってるんじゃないよ。愛なんだ




マイケル・ジャクソン THIS IS IT 予告

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