2009年10月25日日曜日

沈まぬ太陽 (2009/日)

監督:若松節朗
出演:渡辺謙 / 三浦友和 / 松雪泰子 / 鈴木京香 / 石坂浩二 / 香川照之 / 木村多江 / 清水美沙 / 鶴田真由 / 柏原崇 / 戸田恵梨香 / 大杉漣 / 西村雅彦 / 柴俊夫 / 風間トオル / 山田辰夫 / 菅田俊 / 蟹江一平 / 桂南光 / 秋野暢子 / 松下奈緒 / 品川徹 / 矢島健一 / 田中健 / 渡辺いっけい / 小日向文世 / 神山繁 / 草笛光子 / 宇津井健 / 小林稔侍 / 加藤剛


まっすぐで信念を貫く不器用な男、恩地
国民航空に勤める彼に、墜落した航空機の遺族の世話係が言いつけられる

なにげに観にいったら3時間半とかびっくりする上映時間だったわけですが
きゅうきょ準備万端で鑑賞にのぞんだものの、やはりというかなんというか前半終わりで10分の休憩がありましたね
しかもトイレ休憩で外にでると、商魂たくましく入り口そばで飲食物を臨時で販売してるサービスぶり
なんてことは別にして、この映画は一言でいうと「微妙」というのが一番適切かもしれません

長い尺でありながら、いっさいだれることなくあっと言う間にラストまで観れます
役者陣もすっごい豪華で、それでいてそれぞれが役にマッチしてるんでまったく違和感なく観ていられます
内容的には前半が飛行機事故と遺族の話を軸に、航空会社のどろどろとした内情を主人公がこれまでうけてきた会社からの厳しい仕打ちを展開する感じ
後半は事故から会社を再建するために新しいトップとともに見初められた主人公が、旧体制派の妨害工作を受けながらも会社のためにがんばるみたいな

まじめすぎる一生懸命さが仇になって目の上のたんこぶ的な存在になってしまった主人公の連続海外赴任
会社の誠意ないころころとかわる態度、信じていた者の裏切り、家族を泣かせながらもそれでも「辞める」という「逃げ」の選択をしない主人公の男っぷりにはマジで共感できます
それゆえにナイロビ編の終盤の乱射シーンとかグッとくるものが
個人的には主人公のもっと感情的なところが見たかったんですが、あえてそういうことをしない生きざまもそれはそれで

そんな感じでひじょうに楽しめるこの作品なんですが、決定的な違和感があるんですよ
いいシーンにいい音楽、役者のたかぶり、とジーンとくる要素が満点な場面でも不思議と観てる方は「ふーん」的な感じで引いてる感情があるんですよね
それが最初から最後まで続きます
押さえた演技に押さえた演出の大人向け映画といえばそれまでですが、そんなことだけじゃすまない決定力のなさがある気がしますね
おもしろい、たしかにおもしろいけど、これっていうパンチ力がない

平均的におもしろい優等生作品ゆえに、逆に突き抜けたおもしろみがない
見る者の魂をもふるわせる有名アーティストの作品、そのレプリカを見てる感覚に似てるかもしれません
根本的なところは悪くない、けど「いいね」と思うその先に感じるものがない
ラストシーンも言わんとしてることはよく分かるし、これまでの展開を受けたゆえのその構成にも納得できるけど、びっくりするほど見終わった後の充足感がないのはどうか

さらに話的にも終盤に会社の二つの不正問題がでてくるんですが、いちおうの決着はしつつも、その決着の付き方がイマイチすっきりしない
差額の450万ドルうんぬんとか、実はこうしてこうなってこいつがアレしてとか、もっと大仰でもいいから、スパっと解決してほしかった
なんか途中の行程をすっとばして解決してる気がしたもので
あとは主人公の海外赴任エピソードで、もっと現地人となかよくなる課程もあった方がよかった気がしないでもなかったですね

というわけで、結局のところ「おもしろいテレビドラマスペシャルだったなあ」という印象な一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:わざわざ映画でやる意味があったのかどうか




沈まぬ太陽 予告

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