2013年9月2日月曜日

希望の国 (2012/日・英・香港)

監督:園子温
出演:夏八木勲 / 大谷直子 / 村上淳 / 神楽坂恵 / 清水優 / 梶原ひかり / でんでん / 筒井真理子 / 菅原大吉 / 山中崇 / 河原崎建三 / 浜田晃 / 大鶴義丹 / 松尾諭 / 吉田祐健 / 並樹史朗 / 米村亮太朗 / 吹越満 / 伊勢谷友介 / 田中壮太郎 / 手塚とおる / 本城丸裕 / 深水元基 / 大森博史 / 占部房子 / 井上肇 / 堀部圭亮 / 田中哲司

長島県(架空の土地)に暮らす小野家
ある日、大地震にみまわれ近隣にある原発の半径20km圏内に退避命令が出される

地震というより原発による災害(人害?)がメインになっている作品
とはいえ単純に福島県の一件を元に作られた内容、ってわけでもない
あくまで福島県の原発のことがあったことを前提として、この長島県の原発でも同様のことがおこってしまっているという状況が興味深い
原発がもたらした被害を知識として知っている状況下での主人公たちを描いてます

長島県をおそった大地震により、同県にある原発の半径20km圏内が立ち入り禁止地区になってしまう
そのギリギリ20km圏内から外れた小野家の父親は認知症の母親と家に残り、息子とその嫁を自主的に退避するように家を出させる
基本は残った両親と出ていった息子夫婦のドラマになっており、そこに小野家の隣人で鈴木家の息子とその彼女のエピソードも描かれていきます

被災地の家に残った両親の物語としては、認知症の妻としだいに悪化する原発の状況、さらに家畜の殺処分や迫る強制退避の問題を抱える父親の生きざまが描かれている
一方で出ていった息子夫婦も妊娠を機に原発の影響に過敏になっていき、同時に周りの人たちの変容もあって悩みはつきない
鈴木家の若い男女も最初こそいい加減な若者といった印象ながら、被災地の彼女の家族を捜すうちに印象が変わってくる

それぞれの生き方は極端に描かれているところはあるけど、それが「良い」「悪い」というくくりができない作りになっているのがおもしろい
「さすがにそれは・・・」と苦笑いでバカにしちゃいそうな行動なんかも、観ているうちに「いや、そうじゃないな」と思わせてくれる
観てる側を物事の傍観者の立場に誘導しつつ、「なに他人事みたいに観てるの?」とガツンと殴ってくるような作りが個人的にはよかった

ただじゃっかん過剰な演出があったり、上記のように観てる側を露骨に誘導してくるような作りに嫌な意味で「観せられてる感」がなくもない
着地点である結末もなんかちょっと「まあ、そんなとこかな」と意外性やズッシリくるものはないかな

個人的評価:75点
オススメ度:もっと生臭い話かと思ってたんだけど、ね




希望の国 予告


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