2009年3月29日日曜日

ヴァリエテ (1925/独)

監督:E・A・デュポン
出演:エミール・ヤニングス / リア・デ・プッティ / ワーウィック・ウォード / マリー・デルシャフト / ゲオルク・ヨーン / クルト・ゲロン / パウル・レーコプフ / チャールズ・リンカーン / アリス・ヘチー / トルーデ・ヘスターベルク


有名な曲芸師アルティネリ兄弟の兄がベルリンでの大舞台の前に怪我をしてしまう
そこでアルティネリ(弟)は腕のいい夫婦曲芸師と組むことにするが、やがてその妻にひかれていく

たまにクラシックなのも見たくなるお年頃
DVDには冒頭に懐かしの淀長こと淀川長治さんの解説入りで大満足ですね
なんか淀長さんの言ってることと内容が微妙にかみ合わない気がするのはお約束ってことで

曲芸+愛憎劇…なんかグッとくるものがあるじゃない
いわゆる無声映画なんですが、退屈どころか冒頭いきなり刑務所から始まって見てる側の「なんだ?」という好奇心を刺激しまくりです
その後は話の全容が見えるまでちょっと時間がかかるけど、そろそろこの展開も飽きてきたなという絶妙なタイミングで次のステップへと話が移っていくので飽きません

モノクロの古い作品な上に無声映画ってことで、飾りっ気ない美術をバックにどうしても演者さんが前面に出てきてしまうんですね
だけど、じゃっかんオーバーながら声がないかわりに非常に分かりやすい演技をしてくれるんで、演じる様を十分に堪能できます
最近の映画では隠れがちな演技を楽しめる作品ですね

アルティネリの男前っぷり、妻ベルタの小悪魔っぷり、そして夫のフラーのおっさんぷり…というかじょじょに狂気じみていく表情は最高ですね
見せる所は見せる、引くところは引く、昔の作品だろうとそうでなかろうと基本的な所がしっかりしてると見れる映画になるのは確か

それでもちょっと食い足りないラストな気がしないでもないですが、最近の映画ばかり見てると忘れがちなものがクラシックの名作の中にはあると思いますね

個人的評価:80点
オススメ度:ナイス眼力

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