2009年6月5日金曜日

ブロードウェイと銃弾 (1994/米)

監督:ウディ・アレン
出演: ジョン・キューザック / ダイアン・ウィースト / ジェニファー・ティリー / チャズ・パルミンテリ / ジャック・ウォーデン / ロブ・ライナー / メアリー・ルイーズ・パーカー / トニー・シリコ / ジョー・ヴィテレッリ


アーティスト気質な売れない劇作家の新作脚本が完成する
その資金繰りに困っている所に街のギャングから演劇素人の愛人を出演させる条件で、資金提供の話が持ち上がる

最近どうも良い映画ってのを見てないなあ、と薄々感じてはいた…というか自らクソ映画に傾向してたので、たまには良作を
とにかくこの作品は映画としての完成度が高い
心地のいいセリフ回し、飽きさせない展開、キャラと画がいうことないですね

序盤はギャングの愛人のあばずれショーガールくずれのビッチぶりを中心に、落ちぶれつつあるプライドだけは高い超人気女優などのクセのある共演陣をからめつつ、ドタバタしながらなんとか劇を作っていきます
出演者やスポンサーであるギャングは言いたいこといって、主人公の劇作家が苦悩する様をコミカルに描いてるって感じのよくあるコメディ
地味ではあるけど、それでも役者のセリフを追ってるだけで普通に面白い

そして、中盤になるとそんなドタバタも飽きてきます
そこからのテコ入れ、ラストへの流れが秀逸すぎる
主人公と協力者の力関係が逆転していって、それゆえに頭でっかちじゃない本当の自分を見つけられる主人公の過程がおもしろおかしくていい
この作品はあくまで昔の映画っぽい演出を前面に出してるのが功を奏して、ギャングの抗争や人の生き死にが重すぎずにきらびやかな舞台との整合性がうまくいってる

特にギャングの愛人、主人公の協力者のオチの付け方がちょっと淡泊すぎる気がしないでもないが、さっこんのベタベタな濃厚演出よりこういうのがいいかも
低予算、才能がないゆえの手抜き演出じゃなく、こうすべくしてこうなった必要性のある簡素な演出という感じで

ただそれでもやっぱり食い足らない感じる人もいるだろうし、淡泊ゆえに地味なのも否めないかもしれません
あとはコメディをきちんとコメディとして見れる人向けな内容かも
なんでもかんでもきっちりかっちり丁寧に説明してくれるチュートリアル映画ではない

個人的評価:90点
オススメ度:人は自分の才能にひかれるのか、人間性にひかれるのか

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