2009年7月12日日曜日

まごころを君に (1968/米)

監督:ラルフ・ネルソン
出演:クリフ・ロバートソン / クレア・ブルーム / リリア・スカラ / レオン・ジャニー / ルース・ホワイト


30歳を越える知的障害者の男、チャーリー
ある日、彼は障害を克服できるという実験的な脳神経手術を受けることになる

別題で「アルジャーノンに花束を」といわれる映画ですね
なんかちょっと前に色々と話題になったりで名前だけは知ってましたが、映画としては初見
なんか知的障害者とネズミの話だったような気がするなあ、というくらいの前知識で

これきっつい内容だわ
知的障害者でおっさんというだけでも見てて苦しいところがあるけど、鈍いことを知っててシャレにならない意地悪をしてくる職場の同僚とか、結局は自分たちのことしか考えてない研究室の人たちとか、あまりに主人公周りの人間にいい人がいなすぎる
それだけでも陰鬱な気分になるのに、手術で知能レベルが一気に上昇していったらいったで、からかえなくなった職場の上司が…だったり、ホントに嫌な気分になりっぱなしで困る

主人公の住んでるアパートの管理人のおばちゃんはキャラ的によく分からなかったですね
ネズミのアルジャーノンが主人公の部屋にいると話た途端に急に柔和な感じで人当たりがよくなるとか意味が分からない
自分もペットを飼ってるからってだけで、あそこまで優しくなれるもんかね

で、物語の中盤で主人公が研究所の自分の担当の女性にコクってふられて、なんか意味不明なイメージ映像が流れるんですが、ここら辺から作品についていけなくなりました
婚約者もいて、バッサリと主人公を斬り捨てた女研究員が、イメージ映像の後ではあっさりと主人公受け入れるし
もうしょうじき眠気と戦いながら見てました
だから見逃したのかもしれませんが、なんで主人公が手術が実は失敗だったと気づいたのか理解できませんでしたね

それでもクライマックスは楽しめ…というか、再び陰鬱モードに
やっと人並みに生活できるようになって、人並み以上の知能を得た主人公
ゆえに急速に知能が回復したのと同じだけ急速に知能が後退しつつある現実と向き合う描写が痛々しい
以前の知的障害者の暮らしをしていた頃なら、バカにされても嫌みを言われてもそれを理解できずに世界は常にハッピーだったけど、なまじ理解できる能力を得てしまったために残酷な現実を真っ正面から受け止めなければならないという…
しかも頭がよくなりすぎた主人公は、自分の知能後退は避けられないという説を完成させてしまう

いやあ、欝だわ
内容的には古いだけあって、きょうび目新しさを感じない所もあるけど、おもいっきり気分を落ち込ますにはいいですね
というか、感動作品だと思って見たらこれだよ、って感じで精神ダメージを受けました

個人的評価:50点
オススメ度:「アルジャーノンに~」より「まごころを~」の方が断然あってる

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