2009年7月30日木曜日

サン・ジャックへの道 (2005/仏)

監督:コリーヌ・セロー
出演:ミュリエル・ロバン / アルチュス・ド・パンゲルン / ジャン・ピエール・ダルッサン / パスカル・レジティミュス / マリー・ビュネル / マリー・クレメール / フロール・ヴァニエール・モロー / エーマン・サイディ / ニコラ・カザレ


莫大な遺産を残して母が死んだと知らされた実業家、教師、失業者の仲の悪い三人兄妹
その遺産を継ぐ条件は三人そろって聖地巡礼の旅に出ることだった

コメディといっても心があったまる感じのやつですね
あらすじだけみると、「どうせ長い旅の中で三人が仲良くなるんちゃんか」と予想できますが、実際は…という感じで
というか、そもそもこれ三人だけの話じゃなく、同じ巡礼の旅に参加するそれぞれのメンバーも合わさって、みんなの旅の話という構成になってます

とりあえず総勢で9人のキャラが序盤からどっと出るんですが、最初のキャラの描き方がすごい分かりやすくて、すぐにそれぞれの特徴をつかむことができます
しかも各々のキャラがホントに面白くて、めちゃくちゃな者同士を絡ませつつ、それでいてそれなりに映画としてまとめているのはいいですね
個人的にも一斉に集められたクセのある人たちが織りなす物語ってのは好きです

旅を続けていって、その過酷さゆえに限界を超えた所で自分を取り繕う仮面を脱いだ人たちの本音のぶつかりあいをおもしろおかしく描きながらも、その先にはさらけだした者たちの結びつきがあるというハートウォーミング
最初はメンバーの中で一番ダメダメだったと思ったら、実は旅を続けるうちにホントはもっとダメなやつがいた、とか
なんだかんだで本当は優しいんじゃないか、とか
見てて微笑ましくなります

で、結局の所、三人の旅の果てはどうなんだ、っていうと別に気持ち悪いくらいにベタベタ仲良し兄妹に落ち着くって感じではないんですね
んなちょっとやそっとじゃ人間の根底は変わりません
ただその根底を包む着飾った部分が大きく変わるという感じですかね
人間的には大きく変わったところはないけど、どこか以前とは違う…みたいな
いや、でも本当に三人だけの話じゃなく、あくまでも9人で一つの物語って感じですね

旅の情景はきれいというより、素朴で楽しいという印象
そして、そんな情景をバックに所々で差し挟まれる夢の中のイメージがシュールすぎてなんとも
はっきりいって作品的に夢の世界は浮いてるんだけど、でもまあギリギリありなんじゃないか、と

個人的評価:90点
オススメ度:旅を疑似体験してみればいいじゃない




サン・ジャックへの道 予告

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