2009年8月28日金曜日

ぼくは怖くない (2003/伊・スペイン・英)

監督:ガブリエーレ・サルヴァトーレス
出演:ジョゼッペ・クリスティアーノ / マッティーア・ディ・ピエッロ / アイターナ・サンチェス・ヒホン / ディーノ・アッブレーシャ / ディエゴ・アバタントゥオーノ


小麦畑に囲まれた小さな村、そこの子供のミケーレが村はずれの廃屋で深い縦穴を見つける
おそるおそる中をのぞいてみると、そこには子供が一人よこたわっていた

なんだかよく分からない映画を見ていこう、ということで視聴
アルバトロスは時として一般的に普通に面白い映画を出すから困らない
ということで、みんな大好きアルバトロス!記憶に新しい所だと「フロッグマン」のアルバトロスから発売されてる作品
しょうじきそんなに期待してなかったけど、意外や意外に引き込まれて見てました

ミケーレという子供が、明らかに自分の意志でいるって感じじゃない穴の中の子供を見つけるんですが、そんなよく分からない状況っぷりが面白い
さらに子供たちは良くも悪くも純真で、村の美しい情景と相まってさわやかでいて不思議なファンタジーチックな話が進む
と思ったら大間違いで、穴の中に子供がいる理由が明らかになってから、この作品は本当に面白くなってきます
ようするに同じ世界にいながら、子供たちの見て感じている世界と大人たちのそれとはこうもギャップがあるのか、という対比を楽しむ内容ですね

子供の事情と大人の事情の対比、っていうとそう新しくもないですが、本当に子供たちの放つ陽のイメージと、大人たちの放つ陰のイメージの深刻さがよくできてます
世界のことなどよく知りもしない田舎の村の子供だからこそ成り立つ内容かもしれません
大人ってホントに汚いですが、それでいてリアルおっさんの意見としましては、そんな汚い大人たちのいっけんちぐはぐに思える行動なんかがとてもよく理解できます
そして、かつて自分も田舎のクソガキだったんで、劇中の子供たちのやりとりもよく分かるわあ
田舎子供たちのグループでの上下関係とか、日本の昔のそれにそっくりなんじゃなかろうか
いや、個人的に似たような環境だったってだけかもしれんけど

内容的にはミケーレが穴の中の子供とじょじょに仲良くなっていい話的な流れになるにつれて、大人たちのダーティな部分が濃くなっていくといった感じで
このミケーレと穴の中の子供のコミュニケーションもなんかよく分からないが、なんとなく微笑ましい
もっとクソサスペンスならバンバンネタバレするけど、なんとも普通に面白いんでやりづらい
まあ、それほどあっと驚く内容じゃないけど、気になる人が見てもそう後悔はないかもしれないので
特に母性を振りかざしつつ、それでいて汚れている自分を分かり、でも大人として自分の身がかわいいゆえの行動をとってしまう点は見所かも

クライマックスも「このままいくと…?いや、でもまさか、もっと無難に…おうっ!?」って感じでホントにビクッときましたね
その後はなんか物足らない気もしましたが、ラストの手を伸ばすくだりでやっぱりいい話だなあ、と

そんな感じでガッツリ系のサスペンスではないけど、さらっと流して見るには楽しめる一品でした

個人的評価:70点
オススメ度:ブタおっさんの意味が分からない




ぼくは怖くない 予告

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