2009年8月27日木曜日

きみの友だち (2008/日)

監督:廣木隆一
出演:石橋杏奈 / 北浦愛 / 吉高由里子 / 福士誠治 / 森田直幸 / 柄本時生 / 華恵 / 中村麻美 / 大森南朋 / 田口トモロヲ / 宮崎美子


生涯、松葉杖を手放せない体の恵美は、幼少の頃に出会った腎臓を患っている難病の持ち主である親友の由香とかけがえのない時を過ごしていた
恵美の思い出とともに様々な「友だち」の模様を描いていく

おいおい、おっちゃんマジ号泣しちゃったじゃない
ということで、最近なんかシネ充な日々を送ってますが、まさかここまで自分のツボをついてくる映画があるとは…
友情、出会い、別れ、それでも元気にやってるじゃない
そんなありふれたテーマなのに、やばいくらいハマリこんでましたね

とりあえずこの作品は「どや?ん?ほら、泣いてしまえ」みたいな押しつけがましい感動演出は極力抑えてあり、淡々とポイントポイントを画面に出すことで見てる側に察してもらおうって作りになってます
それでいて別に気取ってるわけでも、難解な文学的な内容でもなく、非常に分かりやすい
あと、けっこう細かい所まで丁寧に、そしてひねって作ってあるので「泣き映画」としてだけじゃなく、一つの映画としても楽しいし面白い

小学生、中学生、高校生、社会人、それぞれの恵美とその周りを取り巻く環境がリアルでいてリアルではない、どこか引っかかるような描写が邪魔になってるどころか、逆に気になって引き込まれてしまいますね
友情、裏切り、上下関係、恋愛、それぞれをあくまで「見せる」ところまでで踏みとどまって、そこからどう思うかは見てる側しだいという行間を夢想するのが楽しい
冒頭、ちょっとなにが始まるのかよく分からないって話の運びになりますが、話が進むに連れて「そう難しい話じゃない。というより、むしろ単純ゆえに面白いな」と思えてきます

そんな抑えに抑えた心地よさですが、終盤の恵美がベッドに転がるシーンで一気に爆発します
こんな枯れたおっちゃん泣かしてどうすんのよ、ってくらいに涙が止まらなかった
というか、あそこの演出は反則だろ、マジで
そりゃ泣くって
その後のエピローグ風なのが蛇足気味かな、とも思ったけどラストの恵美の一言でジーンとくるさ、そら
そしてエンディングテーマ…この映画本気っぷりがよく分かります
最近のタイアップで選ばれた、作品の印象とはほど遠いクソ主題歌なんかとは比べるのもどうかと思うほどに作品のイメージまんま
最後でたたみかけてきやがって、まったく良い意味で「やられた」映画でした

個人的評価:90点
オススメ度:友達って、いいね。もう手遅れだけど




きみの友だち 予告

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